妊娠中に便秘薬を飲んでも大丈夫?|症状に合わせて正しい使い方を
便秘薬(下剤)は便秘を根本から治す薬ではありません。あくまでも腸に溜まった便を排泄するための薬と考えましょう。出来るだけ副作用が少ない薬を利用しながら、食生活などの生活習慣を変えて、便秘を改善していくことが必要です。
妊娠中に便秘薬(下剤)を使うときは、薬局などで売っている市販薬ではなく、主治医に相談し、病院から処方された便秘薬を利用してください。
色々な種類がある便秘薬(下剤)
便秘薬は大きく分けて2つのタイプに分けることが出来ます。刺激性下剤と機械性下剤です。
刺激性下剤とは腸の粘膜を刺激して、腸の運動を活発にして排便を促進する薬です。妊娠中に処方させることの多いラキソベロンは、このタイプの便秘薬(下剤)です。
ラキソベロンは、液状の薬なので使用量を微調整できる便利な薬です。また、腸からの吸収がほとんどないので、一度に大量に使わなければ、お腹の赤ちゃんへの悪影響はほとんどありません。
しかし、刺激性下剤に頼りすぎてしまうと、排便する力がどんどん衰えます。そのため長期間使用すると便秘が悪化してしまうことも考えられます。
ちなみに、市販されている便秘薬の約70%を占めるアントラキノン系も刺激性下剤の1つです。配合成分にアロエやセンナ、大黄などが含まれている薬です。即効性があるのですが、副作用が強いので妊婦さんに処方されることはほとんどありません。
機械性下剤とは、便の中に水分を引き寄せて、柔らかくして排泄させる薬です。妊娠中は酸化マグネシウム(マグミット)が処方されることがあります。
マグネシウムは、ミネラルの一種で、腸の働きを良する、便の中に水を引き寄せる性質があるため、便を柔らかくしてくれます。そんなマグネシウムを薬にしたのが酸化マグネシウムです。ラキソベロンよりも、緩やかに効果が表れます。
また、その他の下剤として、坐薬があります。長期間、便が出ていないときは、固まった便が肛門を塞いでいる可能性があります。肛門がふさがれた状態では、下剤を使ったり、食生活の改善をしても、便は出にくいままです。
そこで、坐薬を使ってまずは溜まった便を排泄することが必要になります。妊娠中でも使えるのはレシカルボン坐薬です。この坐薬を挿入すると、炭酸ガスが発生して、腸内を刺激し、排泄を促進します。自然の状態に近い排便となり、腹痛も起こりにくく、依存性も少ないので、比較的安全な薬と言われています。
ちなみに、浣腸は腸内を刺激して、腸を刺激して便を排泄させます。しかし、刺激が強く、子宮収縮が起こることがあるので、妊婦さんにはほとんど使われません。