妊娠初期は便秘になりやすい時期|原因と解決方法は?
毎日快便だった人が妊娠を期に便秘になってしまうことはよくあります。特に妊娠初期の時期は、特に便秘になりやすいので注意が必要です。
妊娠すると便秘になりやすい4つの原因
女性は筋肉の量やホルモンの影響などがあり体質的に便秘になりやすいです。さらに、妊娠すると以下の4つの要因も重なってしまうため便秘になりやすくなります。
1.女性ホルモンの変化
妊娠をすると女性ホルモンの黄体ホルモンの分泌量が増えます。このホルモンは、子宮や乳房を大きくしたり、妊娠状態を維持する働きがあります。
また、体内に栄養素を蓄えさせるために、大腸の動きを低下させるので、便の出が悪くなります。さらに、水も体内に蓄えさせようとするので、便に含まれる水分が減り、硬くなってしまい排便が難しくなります。
2.食生活の変化
便は私たちが食べたもののカスが集まってできたものなので、何を食べたかが大きく影響します。妊娠初期はつわりで辛いため、思ったような食事が出来ません。栄養は偏り、お通じに重要な食物繊維が減ってしまったり、水分が減ったりしてしまいます。
食物繊維は、便のかさを増やしたり、便に含まれる水分を増やしたり、大腸を刺激して動きを活発にさせる働きがあります。つわりは辛いと思いますが、食物繊維が多く含まれている野菜や果物、海藻類を積極的に食べることを心がけてください。
3.運動不足
運動をすると大腸が刺激されるため、大腸の動きが活発になります。しかし、妊娠すると疲れやすくなったり、流産が心配になったりするので、体を動かす機会が減ってしまいます。
このため運動不足になり、便秘になってしまうことがあります。体調が良く、天気が良い日には、適度な運動をして下さい。もちろん胎児への悪影響もあるので、激しい運動や辛い筋トレは避けてください。
妊婦さんにお勧めな運動はウォーキングです。近所のスーパーや公園など、行きなれた場所まで散歩するだけでも効果はあります。散歩中はこまめに水分補給を行ってください。
何かあったときにすぐに病院に行けるように、携帯電話、病院の診察券、母子手帳、1000円くらいの現金などを持って行くと良いと思います。
4.疲労とストレス
妊娠中は、体力的にも精神的にも疲れやすく、ストレスが溜まりやすいです。すると、大腸の動きをコントロールしている自律神経が影響を受けてしまいます。すると、大腸の動きも乱れてしまうため、便秘になってしまうことがあります。
天気の良い日に散歩をしたり、好きなことをしてストレスを溜めない工夫を行ってください。
便秘を解消する方法
便は私たちが食べたものの残りカスから作られるので、食べ物によって便が硬くも柔らかくもなります。また、食べ物によって大腸の動きも活発になったり、鈍くなったりします。
ウンチを柔らかくして、排便をスムーズにするには水分が欠かせません。特に、妊娠中は汗をかきやすくため、水分が不足していることが多いです。こまめに水分補給を行ってください。
水分補給は水や麦茶など、ノンカフェインの飲み物で行ってください。カフェインは胎児に悪影響を及ぼす恐れがあります。また、利尿作用があるので、せっかく水分を摂っても、すぐにおしっこで出て行ってしまいます。
また、一度に大量に飲まずに、少しずつこまめに飲んでください。一度に大量に飲んだ水は、すぐにおしっこで排泄されてしまいます。コップ一杯の水を朝起きたとき、三食と一緒に、入浴前後などに飲んでください。
特に、起きてすぐに飲むコップ一杯の水は便秘解消の効果が高いです。空っぽの胃腸に水が入ることで、刺激されて動きが活発になり、排便が促されます。
食物繊維には、お通じをスムーズにする働きがあるので積極的に摂ってください。ただし、食物繊維には不溶性食物繊維と水溶性食物繊維の2種類があり、働きも異なるので、バランスよく食べることが効果的です。
不溶性食物繊維
キャベツやゴボウなどの野菜や豆類、ライ麦などの穀物に多く含まれています。水分を含むと何倍にも膨らむので、便のカサが増えて、大腸が刺激されます。すると、大腸の動きが活発になって、排便が促されます。
水溶性食物繊維
ワカメやひじきなどの海藻類や熟したリンゴなどの果物に多く含まれています。水に溶けて、ゼリー状になり、便を柔らかく保つ働きがあります。
大腸の中には数百種類の細菌が住んでいます。この腸内細菌の中には、大腸の動きを活発にする善玉菌と動きを鈍くする悪玉菌が住んでいます。つまり、善玉菌を増やすことが出来れば大腸は活発に動くので、便秘が解消されます。
善玉菌の1つに乳酸菌がいます。乳酸菌は、ヨーグルトなどの乳製品や漬物などの発酵食品に多く含まれています。ヨーグルトや漬物などを食べることで、大腸内に善玉菌を送り届けることが出来ます。
大腸内の善玉菌と悪玉菌は、常に争っていて、一方の勢力が強まれば、もう一方の勢力は弱まります。つまり、善玉菌を元気にする食べ物を食べれば、善玉菌は優勢になり、悪玉菌はどんどん弱まるため、大腸の動きが活発になります。
善玉菌を元気にする食べ物は、玉ねぎやバナナなどの食べ物、そして母乳にも含まれているオリゴ糖です。
便秘薬に頼ることも必要
妊娠中は、お腹の赤ちゃんへの影響が心配なのでなるべく薬は使いたくないという人も多いと思います。しかし、大腸の中に便を何日も溜めてしまったり、腹痛やお腹の張りでストレスを溜め込むことは、お腹の赤ちゃんにとっても良くないことです。
ただし、ご自信の判断で市販の便秘薬を使うことは避けてください。妊娠中には使ってはいけない成分が入っている便秘薬もあります。便秘で辛いときは、まず産婦人科を受診してください。必要であれば妊婦さんでも使える便秘薬を処方してくれます。