ウンチが硬くて切れ痔に|便を硬くする食べ物を避ける
大腸に入ってきたばかりの便は、たくさん水分を含んでいて、おかゆのような状態です。その便は、大腸の伸び縮みする動き(ぜん動運動)によって、肛門まで運ばれます。その間に、大腸の壁から水分が吸収され、徐々に形を形成していきます。
大腸の動きが正常であれば、肛門に付近に到着した便はバナナ状で、硬さは練り歯磨きくらいです。しかし、大腸の動きが低下し、大腸の中にいる時間が長くなると、必要以上に水分が吸収されて硬くなってしまいます。
さらに、便の水分が吸収され乾燥すると、便はボロボロと崩れ、コロコロウンチとなって排泄されます。この硬くなった便が肛門を通るときに、傷を付けることで、切れ痔になってしまいます。
つまり、切れ痔になることを防いだり、傷みを緩和させるには、大腸の動きを活発にして便が硬くなることを防ぐことが重要です。
腸内に悪玉菌が増えると、腸の動きが悪くなる
大腸の中には、100種類以上の腸内細菌が住んでいます。腸内細菌には善玉菌と悪玉菌がいて、常に勢力争いをしています。一方が増えれば、もう一方が減るようになっています。
善玉菌は、大腸内に入ってきた食べ物のカスを発酵させて、酸を作り出します。この酸が大腸の動きを活発にするなど、柔らかい便を作る働きをします。逆に悪玉菌は、大腸内に入ってきた食べ物のカスを腐敗させて、有毒ガスを作り出します。この有毒ガスが大腸の動きを妨害させて、便を硬くさせてしまいます。
一般的に善玉菌が多いと健康、腸の動きも活発なり、悪玉菌が多いと様々な病気に、腸の動きも悪くなると言われています。
悪玉菌が増えてしまう原因は?
悪玉菌を増やしてしまう大きな原因は食べ物にあります。悪玉菌は食べ物のカスを栄養源としているので、悪玉菌が好きなものを食べていると、どんどん元気になってしまうからです。
悪玉菌が増えてしまう食べ物は、肉や卵などの高タンパク、高脂肪食品です。欧米化した食事にたくさん含まれている食材ですね。なので、野菜や魚が多い日本食を取るように心がけてください。
また、砂糖の摂りすぎにも注意が必要です。砂糖は身体を冷やす食べ物なので、たくさん摂取すると身体が冷えて、腸の動きが鈍くなってしまいます。また、砂糖が腸に入ると腸の動きが数秒間止まってしまうという東大の研究報告もあります。
甘いお菓子や菓子パン、カップラーメン、ハンバーガーなどはタンパク質、脂肪分、砂糖がたっぷり入っているので、食べすぎには注意しましょう。
食べ物ではないですが、風邪をひいたときなどに服用する抗生物質も悪玉菌を増やしてしまいます。抗生物質は、病原菌の増殖を抑制したり、壊したりしますが、腸内細菌にも効果を発揮してしまいます。
善玉菌は抗生物質に弱く、悪玉菌は強いので、抗生物質を服用すると善玉菌の数は減り、悪玉菌の数が増えます。とはいえ、抗生物質は感染症予防などの効果を発揮するので、病院から処方された際は指示に従ってください。